2023-07-25
家族が認知症となる前に、ぜひ検討したい制度が「家族信託」です。
家族信託は、万が一のときに備えて事前に信託契約を締結する方法で、空き家対策をはじめ相続対策にも有効な制度の1つです。
そこで、空き家が増える原因や家族信託の制度について、また空き家対策を家族信託でおこなうメリットを解説します。
神戸市北区で空き家を相続する予定がある方は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。
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近年は、高齢者が多い地方の地域だけでなく、全国的に空き家が増加しています。
総務省の調査データ「住宅・土地統計調査」によると、2018年時点で1,000万戸を超える空き家があるとされています。
今後は、人口減少に伴い少子高齢化が進んでいき、さらに空き家が増えると予測され社会問題にまで発展しているのが現状です。
また、空き家は適切な管理が必要とされ、放置してしまうと特定空家に指定されるなどさまざまデメリットが生じるため注意が必要です。
特定空家に指定されれば、税金が上がったり過料が科せられたりする可能性もあります。
そもそも、なぜ空き家は増えてしまうのでしょうか。
ここからは、空き家となってしまう原因について解説します。
原因には以下の3つがあります。
空き家が生まれてしまう最大の原因は、高齢化世帯の増加です。
内閣府の平成29年版高齢社会白書の調査によると、65歳以上の高齢者がいる世帯は平成27年に47.1%となっています。
つまり、半分の世帯が高齢者世帯です。
また、高齢者世帯は年々増加しているため、今後もさらに増加することは確実と言えるでしょう。
空き家となってしまう原因には、相続人がいないなどのトラブルも考えらえます。
そもそも相続人がいなく空き家となってしまうケースや、相続人がいても遺産分割の交渉が進まずに空き家状態となっているケースも少なくありません。
遺産分割での相続が決まらない場合は、共有状態となってしまい、売却などの処分をする際も相続人全員の合意が必要になります。
1人でも反対する方がいれば売却できず、そのまま放置せざるを得なくなってしまい空き家化してしまいます。
所有者が認知症となってしまった場合、不動産を売却することはできません。
たとえ、売買契約を締結していても無効となってしまいます。
また、判断能力が重度の場合は代理人を立てることすらできません。
よって、亡くなるまでの間は放置するしか方法はなく、さらに相続が発生しても空き家として放置され続ける可能性もあるでしょう。
このように、認知症が原因で空き家となってしまうケースも珍しくありません。
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不動産売却における媒介契約から売却活動の流れについて解説
空き家対策にもつながる制度に「家族信託」があります。
ここでは、家族信託とはどのような制度なのかご説明します。
家族信託は、簡単に言えば家族のための財産管理制度です。
あらかじめ自分の財産を家族に信託し、財産管理を託された家族が必要な場面で財産を管理・運用することができる仕組みです。
認知症を発症して判断能力が低下すると、預貯金や不動産などの資産が凍結されてしまいます。
凍結されてしまうと、預貯金が引き出せない、不動産を売却できないなどのデメリットが生じてしまいます。
しかし家族信託は、財産を持つ方の資産凍結リスクを防ぐことが可能です。
家族信託を締結しておけば、空き家となった場合でも売却できなくて困ることがなくなります。
家族信託は「委託者」「受託者」「受益者」の3者により成り立っています。
それぞれの役割は以下のとおりです。
●委託者:財産の管理を委託する方
●受託者:財産の管理・運用・処分をおこなう方
●受益者:得られる収益を受ける方
たとえば、委託者が親、受託者が子の場合、受益者も親となります。
委託者である親が元気なうちに、実家を家族信託により子の名義に変更しておけば、判断能力が低下したときなど万が一のときに、受託者である子が財産管理を代わりにすることができます。
管理をするうえで利益が発生した場合は、受益者である親がその利益を受け取る仕組みです。
家族信託は、親が認知症などになってから利用することはできません。
なぜなら、家族信託は信託契約にもとづく契約だからです。
認知症により判断能力が低下した方が信託契約を締結した場合、その契約は無効になります。
そのため、将来的に空き家となる恐れがある場合は、早めに家族信託を検討することをおすすめします。
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不動産売却における媒介契約から売却活動の流れについて解説
家族信託は、空き家対策としてさまざまなメリットがあります。
家族信託でできる空き家対策のメリットは以下の4つです。
●贈与税が発生しない
●受託者の判断で自宅を処分できる
●先の代まで財産承継できる
●受託者は空き家の管理を放棄できない
それぞれのメリットを解説します。
1つ目のメリットは、家族信託を利用すれば贈与税が発生しないことです。
親を委託者と受益者とした場合、委託者が受益者を兼ねる自益信託となるため贈与の対象とはなりません。
家族信託にしても実際に利益を受け取るのは委託者であるため、実質的な所有者が変わらないためです。
2つ目のメリットは、受託者の判断のみで自宅を売却・処分できる点です。
成年後見制度では、後見人が自宅を売却したり処分したりする場合は家庭裁判所の許可を得る必要があります。
たとえ委任契約をしていたとしてもです。
しかし家族信託の場合は、家庭裁判所などの許可は不要で受託者の判断のみで売却することができます。
つまり、売却の時点で委託者が判断能力が低下していたとしても、売却を進めることが可能です。
売却の許可を取る手続きが不要なため、スピーディーに行動に移すことができ空き家対策となります。
3つ目は、先の代まで財産承継をできる点がメリットです。
通常の相続では財産承継について被相続人の意思が反映されるのは、一次相続のみです。
家族信託では、子の次の世代の孫、またその次の世代へと指定することができます。
家族信託では、空き家であろうと受託者となった方にしっかりと管理する義務が課せられます。
そのため、遠方の場合でも管理を放棄することができません。
つまり、空き家の管理を投げ出すことなく安心して任せることができます。
このように家族信託は、家族が元気なうちに信託契約をしておけば、十分に空き家の対策に有効です。
自宅の売却が滞る原因を防ぐことができ、空き家となることを回避できます。
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不動産売却における媒介契約から売却活動の流れについて解説
空き家が増加してしまう原因には、少子高齢化以外にも認知症によるケースも多いのが現状です。
親が認知症になる前に家族信託を利用しておけば、空き家対策や相続問題も回避できます。
認知症になると信託契約を締結できないため、元気なうちに検討することをおすすめします。
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